デジタル人材育成科 AI・データサイエンス基礎
本講義で学ぶこと
- AIとは何か知っている
- データサイエンスとは何か知っている
- ビックデータとは何か知っている
- シンギュラリティとは何か知っている
- AI、データサイエンス、ビックデータが有効に使われている事例を知っている
身の回りにあるAI
Q. 私達の身の回りにある「AI」にはどのようなものがあるでしょうか?
Siri、チャットボット、自動運転、囲碁・将棋、OCR、ロボット掃除機、Amazon広告最適化、Google画像検索など
AIとは
これまで人間にしかできなかった知的な行為(認識、推論、言語、創造)を、コンピュータで行えるようにする技術と研究
- 人工知能によって、チェス・将棋・囲碁で人間を打ち負かした(AI > 人間)
- 運転も、人間が運転するよりも人工知能の方が事故を起こすリスクが低い(AI > 人間)
- チャットはまだ、人間の方が優れている(人間 > AI)
- 認識は得意だが言語理解は苦手
- 人工知能の研究は60年以上行われており、コンピュータの計算能力の向上によって、過去の基礎研究が芽を出しつつある
ブレークスルー:ディープラーニング
従来、AIの制作はエンジニアが対象の特徴を捉え、論理的にモデリングを行っていた。
ディープラーニングによって、大量のデータから統計的に特徴を捉えることができるようになり、論理的なモデリングが不要となった。
Googleの猫
人間がサッカーボールを蹴っているうちにリフティングがうまくなるように、AIも学習をくり返すことで精度が向上していく。
「Googleの猫」は、ニューラルネットにYoutubeからとってきた大量の画像を学習させることで、統計的に画像の特徴を学習するに成功した研究。
- 「猫らしさ」を学習したニューロンの出現
- 「人の顔らしさ」を学習したニューロンの出現
今日から使えるAI
- Googleの画像認識AI
- 画像を認識して特徴を抽出して表示
- 高性能の翻訳サービス
- ディープラーニングによって作られた言語解釈AIモデル
- 無料で利用可能
ビックデータ
ビックデータは、顧客行動などを記した、巨大なデータベースのことです。
デジタル社会では、あらゆる行動・操作の履歴がデータ(アクセスログ)として蓄積されます。
従来、アクセスログは5年間保持して削除するといった運用が行われて、単なる保管の対象でしたが、現在ではアクセスログがデータベース化され、統計学的な分析が行われ、顧客行動の解析など、重要な経営資源として活用されています。
データサイエンス
データサイエンスとは、統計・AI・データ分析などの技術を用いて、玉石混交のデータの中から、価値あるデータを見出すことです。
- ブログから収集したアクセスログを分析して訪問者の画面遷移を調べ、アクセス数向上に効果的なブログ・レイアウト変更を行う
- 商品購入者をデータを分析して、消費者ニーズにあった商品の改良を行う
- アクセスログから不審な操作や異常な操作を認識して、WEBサーバに到達する前に通信をブロックする
※ビックデータ、データサイエンス、データサイエンティストについては、現役の方から職業人講話にて詳しく解説があります。
シンギュラリティ
シンギュラリティは近い(2007年)
GoogleでAI開発の先頭に立つレイ・カーツワイルによる未来予想。
$1,000で手に入るコンピュータの性能が、全人類の脳の計算性能を上回る
→2045年、高性能のコンピュータは、神に等しい知性を得る
神が何者かは理解不能だが、容易に推察できる将来の方向性について考え、未来に備える
- 既に、ネットで独学やエンターテイメントは無料になった
- エネルギーの価格もやがて0円に近づいていく
- 食料生産から料理まで、AIを搭載したロボットがやってくれる
- 医療や介護もAIに置き換わっていく
→時間とお金を何に使うか?そもそもどのように生きるか?「仕事だから」「やれって言われたから」と割切って行動するのではなく、本質的に自分がやるべき事をやる時代が到来。
誰しもが、人間とは?幸福とは?自分自身の本質について真剣に向き合うべき時代になっている。
仕事を与えられないと、何か使命を与えられないと、自由すぎて辛い
自由は辛い。自らの行動に責任を持つことの孤独感と無力感を味わうことになる。やがて自らの自由を手放し、強いリーダーや権威、宗教に自由権を移譲したいと考えるようになる。
AIで仕事がなくなるは嘘
多くの仕事はAIに置き換えることができるが、人間を幸せにするのは人間であり、人の心は人にしかわからない。
人に刺さる仕事は、人にしかできない。統計的に多くの人が幸せになる仕事や、単なるお金儲けはAIの方が得意だが、誰か(ペルソナ)に向けた、きめ細やかな仕事は人の仕事として残り続ける。